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サッカーの走り込みは無駄?サッカーの体力強化に効果的なメニューを紹介!

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こんにちは。

サッカー歴20年以上/フットサル歴10年以上のドリブラー猫・かど吉です。

サッカーといえば、とても走るスポーツです。

故に走れなけらば話にならないと言われています。

スタミナ向上のために日々厳しい走り込みをしている選手も多いのではないでしょうか。

しかし、日本全国で行われているであろう走り込みは正直無駄です。

サッカーは走れなければいけないスポーツですが、サッカーの動きに合った走り方が必要です。

今回は

・サッカーの走り込みが無駄な理由

・サッカーの体力強化に効果的なメニュー

について解説していこうと思います。

「走れるようになるためにはとりあえず走り込み」なんて前時代的な考え方の人は是非最後まで読んでみて下さい。

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サッカーの走り込みが無駄な理由

サッカーの走り込みが無駄な理由について解説していきます。

勘違いして欲しくないのですが、フィジカルトレーニング全てが必要ない訳ではありません。

まず大前提として、今回の記事では

・5キロ、10キロなどの長距離

・50m以上の距離を繰り返しダッシュ

・タイム走

等々どこでもやっているようなメニューを「走り込み」と定義しています。

※罰走なんて論外です。

また、箱根駅伝でも目指してるの?って位に日々走りまくっている選手も対象にしています。

サッカーの走り込みが無駄な理由は

①試合で必要な走りの質が違う

②メンタル・忍耐力強化の意味合いが強い

からです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由①試合で必要な走りの質が違う

サッカーの走り込みが無駄な理由の1つ目は、そもそも試合での走りと走り込みの走りでは質が全く異なるからです。

サッカーの試合ではジョギングや短いダッシュを繰り返す走り方(体力)が必要になります。

サッカーの試合中はずっと全力で走り続けていると思っている方も多いと思います。

しかし、実際の試合中の走り方は↓が一般的です。(プロの試合を基準)

・アクチュアルプレーイング(実際プレーしている時間)は90分中約60分

・70%はウォーキング・ジョギング

・残り30%はスプリントや連続した動き

ポジションによって多少前後はしますが、意外と全力で走るシチュエーションは少ないです。

さらにダッシュの割合は30%の内9割が30m以内で、さらにその内の5割が10m以内です。

サッカーの試合ではプロで1試合(90分)で大体10キロ前後走っていると言われています。

※走る選手だと12〜13キロ

ほぼ同じペースで10キロを走るのと、ジョギングやダッシュを繰り返しながら10キロを走るのとでは同じ10キロを走るでも大きく異なります。

10キロ走を早いタイムで走れても、サッカーに合う走り方が出来なければ1試合をフルに走り切ることはできません。

長距離は早く走れるのに試合では走れない選手が典型的な例です。笑

逆に10キロ走を早いタイムで走れなくても、サッカーの走り方が分かっていれば試合でフルに走れます。

日本で行われている走り込みは基礎体力は間違いなく向上します。

しかし、実際の試合では同じペースで走る長距離走や50m〜100mのダッシュを繰り返すような走り方はほぼありません。

試合で使わない走りに日々労力を割くのは、はっきり言って無駄でしょう。

日本は海外のサッカー先進国と比べても、練習時間や走り込みの量が桁違いに多いと言われています。

しかし、南米・ヨーロッパの強豪国相手に走り勝てているかと言われると答えは圧倒的にNOです。

むしろ走り負けています。笑

サッカー強豪国は常に科学的な根拠を基にトレーニングをしています。

非科学的なトレーニングが当たり前の日本が最先端のテクノロジーを駆使したトレーニングを続けるサッカー先進国に追いつけないのは当然の結果です。

理由②メンタル・忍耐力強化の意味合いが強い

日本で行われている走り込みは体力向上は勿論ですが、メンタルや忍耐力を強化する意味合いが強いように感じます。

苦しい練習を経験して根性をつける、所謂根性論ってやつです。

練習中に水を飲んではいけないなどの極端なやつは無くなりましたが、日本では未だに根性論が根付いている印象を受けます。

メンタル強化=きつい練習が定着しています。

しかし、そんな前時代的なトレーニングをしなくてもメンタルって鍛える方法って色々あるんですよね。

「あのきつい経験があったから今の自分がある」的なことを言う日本人選手は結構いますが、世界トップの選手からそんなセリフを聞いたことありません。笑

メンタルを鍛えるためにきつい練習をしている先進国なんて日本くらいです。

ドイツで女子サッカーチームのスタッフをしている日本人と現地の指導者が面白いやりとりをしている記事を見つけたので紹介します。↓

私 ”日本は、走り込みのトレーニングを行う傾向が強いけど、ドイツも定期的に取り入れるんですか?”

指導者 ”何を目的としてだい?”

私 ”持久力やメンタルを鍛えたりとか…”

指導者 ”えっ。メンタルって…日本ってまだそんなコトしているの?”

引用:Life in Germanyより

はい。

このやりとりだけで日本と世界との差がハッキリと現れていますね。笑

壮絶な根性サッカーで鍛えられた世代の日本代表が、初出場した1998年のW杯で海外の強豪に全く歯が立たなかったことが何よりの証明です。

いくら走り込みをしても世界トップレベルに勝てるようにはなりません。

もしそれで勝てるのであれば日本はとっくにW杯を優勝しています。

また、走り込みをすることでメンタル・忍耐力がつく以前に怪我のリスクが爆上がりするだけなのでハッキリ言って無駄です。

 サッカーの体力強化に効果的なメニュー

サッカーは走れなければいけないスポーツですが、ただ闇雲に走っても試合で走れる体力を付けることはできません。

実際にかど吉も高校時代は結構な走り込みをしましたが、正直試合をフルで走れる体力は付かなかったです。笑

最近では素走りよりもボールを使ったトレーニングの方が効果的であることが科学的に証明されています。

体力向上に効果的なメニューを3つ紹介していきます。

①試合(ゲーム形式)

②ボールポゼッション

③エンドレス対人

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メニュー①試合(ゲーム形式)

おすすめメニューの1つ目は試合(ゲーム形式)の練習です。

試合で走れる体力を付けるのに最も効率的なのは、試合を通して走力を身につけることです。

走り込みをする位なら、その時間を試合orゲーム形式の練習に充てた方が万倍マシです。

かど吉の経験上、

・試合をたくさん経験して走り込みをほぼしなかった中学時代

・中学よりも試合数が減って走り込みが増えた高校時代

試合をフルで走れたのは圧倒的に前者でした。

高校生になって試合時間が中学時代より多少長くなったとはいえ、なぜか試合をフルに走り切れなくなりました。

今振り返ると、試合数が減って試合での走り方を身に付けられなかったからだと思います。

逆に中学時代は全く走り込みをしなかったのに走れていたのは、試合や試合形式の練習をたくさん経験できていたからだと思います。

試合でヘロヘロになることを繰り返しまくっていましたが、いつの間にか最後まで走れるようになっていました。

やはり試合で必要な走り方を最も学べるのは試合ってことですね。

普段の練習でもフルコートのゲームができれば理想的ですが、グラウンドの広さや人数によって可否が分かれます。

フルコートの試合が無理な場合は4vs4、7vs7など可能な限りゲーム形式の練習を組むのがベターです。

メニュー②ボールポゼッション

おすすめメニューの2つ目は、ボールポゼッションの練習です。

簡単に説明すると、DF付きのボール回しです。

ボールポゼッションはプロも行っている定番の練習です。

例えば、↑動画のような3人×3グループに分けて6対3は定番の練習です。

ボールをロストしたグループ3人がDFになるルールなので、攻守の切り替えが常に行われます。

さらに

・人数を増やすor減らす

・コートを広げる

・タッチ数の制限

などを加えることによって運動強度を高めることが可能です。

ボールポゼッションと走力を同時に鍛えられる一石二鳥のトレーニングです。

メニュー③エンドレス対人

おすすめメニューの最後はエンドレスの対人練習です。

通常、1対1や2対2などの対人練習はオフェンスの勝利orディフェンスの勝利などプレーが一旦中断したら終了です。

しかし、プレーが切れても終了せずに時間内をエンドレスに繰り返します。↓

かど吉も何度も経験したことがありますが、常に相手とバチバチのボールの奪い合いの繰り返しはめちゃくちゃ疲れます。

終わった後は必ずヘロヘロになります。笑

この練習方法は1対1だけでなく、2対2・3対3にも応用できるのでかなりオススメです。

おまけ 効果的なランニング

最後に効果的なランニングのやり方を紹介します。

まず質問なのですが、

①少し息が上がる強度のランニング

②肩で息をする強度のランニング

どちらが体力(心肺機能)を付けるのに効果的でしょうか?

答えは①少し息が上がる強度のランニングです。

意外かもしれませんが、心肺機能は負荷をかけ過ぎるとあまり効果が出ないことが科学的に証明されています。

最も心肺機能を上げるのに効果的なのは心拍数が150〜160/分の間を維持することです。

心拍数を150〜160を維持して最低40分ランニングを続けましょう。

心拍数150〜160は走っていて少しきついかなレベルの状態です。

心拍数が170を超えると心臓バクバクのめっちゃきつい状態です。

5分or10分毎に心拍数を計り、運動強度を調整しましょう。

6秒間脈を計り×10すれば現在の心拍数が分かります。

※6秒間で15回→15×10=150

この方法はプロスポーツチームからフィジカルトレーナーのオファーが来るレベルの整体師の先生から教えてもらったメニューです。

実際にかど吉もやったことありますが、面白いほど効果が出ました。

闇雲に走るのではなく、科学的に根拠のあるトレーニングを取り入れましょう。

まとめ

サッカーの走り込みが無駄な理由について解説しました。

日本では未だに走り込みが多く行われていますが、

①試合で必要な走りの質が違う

②メンタル・忍耐力強化の意味合いが強い

など非効率的な場合がほとんどです。

サッカーの試合ではジョギングや短いダッシュを繰り返す走り方(体力)が必要になります。

素走りとは全く違う走り方が求められます。

また、最近では素走りよりもボールを使ったトレーニングの方が効果的だと言われています。

①試合(ゲーム形式)

②ボールポゼッション

③エンドレス対人

などの常に人とボールが動き回るようなトレーニングが効果的です。

タッチ数の制限や人数の増減などを工夫することでより強度の高いトレーニングが可能になります。

ランニングのトレーニングをする際は、心拍数を150〜160の状態を維持するのが最も効果的です。

日本サッカーのレベルを底上げするためには、バカみたいな量より質の良い練習が必要です。

苦しい練習=強くなるの認識でトレーニングをするのはもう止めにしましょう。

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