こんにちは。
サッカー歴20年以上/フットサル歴10年以上のドリブラー猫・かど吉です。
サッカーの戦術は日々進歩していますね。
現代サッカーはFWでも前線からの守備を求められ、DFでも積極的に攻撃に参加するスタイルが主流です。
一昔前よりもより精密で機械的なサッカーに変わりつつあります。
今後どのような戦術がトレンドになるのか気になるサッカーファンも多いのではないでしょうか。
今回は、近年に流行したサッカー界のトレンドになった戦術をまとめてみました。
どのようにサッカーの戦術トレンドが変化していったのかを知って頂ければと思います。
ちなみにトレンドの対象は、かど吉がマトモにサッカーを見られるようになった2010年頃からを対象にしています。
それ以前のトレンドは正直分かりませんので、ご了承下さい。笑
それでは見ていきましょう。
サッカーのトレンドはどのように決まるの?
サッカーのトレンド推移に行く前に、そもそも「サッカーのトレンドはどのように決まるの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
まず始めに、サッカーのトレンドがどのように決まるのかを解説していきます。
結論ですが、サッカーのトレンドは主にワールドカップで決まります。

ワールドカップで優勝したチームやW杯で猛威を振るった戦術がその後のサッカー界のトレンドになる傾向です。
まぁ、世界最高峰の大会で結果を残した戦術をみんなが真似をするのは当然ですよね。
サッカーの戦術も当然流行り廃りがありますが、トレンドは大体次のワールドカップまでの4年間続きます。
ワールドカップは、その後4年間のサッカーの戦術のトレンドが決まる大会と言っても過言ではありません。
ちなみに、なぜW杯は連覇が難しいかと言うと、トレンドになった戦術を使うチーム(優勝したチーム)は徹底的に研究・対策されるからです。
故に前回大会で結果を残した戦術が時代遅れになってしまい、前回大会優勝チームは早々にW杯を去る傾向にあります。
W杯を観戦する際は、どんな戦術が台頭してきているのかに注目してみるとよりW杯を楽しめますよ。
サッカーのトレンド推移2010年…ポゼッション
サッカーのトレンド推移を解説していきます。
まず始めに、2010年の南アフリカW杯でトレンドになった戦術がポゼッションサッカーです。
2010年大会はスペインが悲願のW杯初優勝を果たした大会でした。

2010年前後の年は、スペインのユーロ2008優勝やバルセロナの黄金期など、スペインのポゼッションサッカーが猛威を振るっていました。
ポゼッションサッカーとは、細かくパスを繋ぎながら相手のゴールに迫っていくスタイルです。
ボールを保持する意味合いから、サッカー界ではパス回しをポゼッションと表現します。
2010年大会はスペインの圧倒的なポゼッション(パス回し)が印象的な大会でした。
W杯終了後はどこの国もクラブチームもスペインのパス回しを真似しました。
その後しばらくポゼッションサッカーが世界中で猛威を振るいます。
派生トレンド…ゼロトップ(偽9番)
ポゼッションサッカーの流行で、派生としてゼロトップ(偽9番)も一部クラブや代表チームで使用されました。
ゼロトップとは、
●FWが中盤に下りてきてボール回しに参加する
●あえてFWを起用せず司令塔タイプの選手が最前線に入る
の2つのパターンがあります。

ゼロトップの目的は、中盤に選手を厚くすることでポゼッションを高めることです。
また、相手DFに最前線の選手の動きを捕まえにくくする効果もあります。
しかし、パスを正確に繋げるレベルの高い選手が揃っていることが大前提条件になるためスペインやドイツなどの一部強豪のみの間で使用されました。
サッカーのトレンド推移2014年…ショートカウンター
2010年W杯から約4年間はポゼッションサッカーがトレンドでしたが、2014年開催のブラジルW杯で終焉を迎えます。
2014年のブラジルW杯では、ショートカウンターが猛威を振るいました。
従来のカウンターは自陣深く引いて守って相手を引き込み、相手が前のめりになった裏を取る戦術でした。
しかし、ショートカウンターは引いて守らず前線から積極的にボールを奪いに行き、奪ってから速攻で相手ゴールに迫る戦術です。
ポゼッションサッカーの頂点のスペイン代表やバルセロナとの戦い方は引いて守ってカウンターor凌いでセットプレーで得点を狙う戦い方が主流でした。
理由は、圧倒的なパスサッカーにボールを積極的に奪いにいく守備は無駄だと考えられていたからです。
しかし、ブラジルW杯ではスペインとグループステージで対戦して勝利したオランダ・チリは引いて守ることをせず前線から積極的にボールを奪いに行きました。
結果、スペイン相手に無駄だと思われていたボールを奪いに行く守備がまさかの大当たりで前回大会王者のスペインを予選敗退に追い込みます。
ポゼッションサッカーに対抗するには最も不適正だと思われていた戦術が実は最大の弱点だったパターンですね。
2014年W杯は、いくらポゼッションに優れているチームであっても、W杯で上位を狙える強豪チームが本気でボールを奪いに来たら簡単にパスが繋げないことが証明された大会でした。
2014年W杯以降は、前線からガンガンボールを奪いに行ってカウンターを狙うハイプレス型ショートカウンターがトレンドになっていきます。
俗に言う、縦に早いサッカーってヤツです。
派生トレンド…ゴールキーパーのリベロ化
2014年W杯は、優勝したドイツ代表のGKマヌエル・ノイアーが大活躍した大会でした。
2014年のW杯のMVPやバロンドールはノイアーが受賞しても不思議ではなかったレベルです。
前線から積極的にボールを奪いに行くハイプレス戦術は、チーム全体が前のめりになるのでディフェンスの裏には広大なスペースが生まれます。
ディフェンスの裏に空いた広大なスペースをノイアー(GK)がカバーすることで失点を防いでいました。
決勝トーナメント1回戦のドイツVSアルジェリア戦では、ノイアーのペナルティーエリア外のボールタッチ数は全体の37.5%とGKの概念を覆す数値を叩き出しました。
ただゴールに向かって飛んでくるボールを処理すれば良いと考えられてきたキーパーに、新たにDFの裏をカバーするリベロの役割が誕生します。
ディフェンスの裏をキーパーがカバーするという新たな守備の概念が誕生させたのは間違いなくノイアーです。
2014年大会後のGKは守備範囲の広さが一段と広くなりました。
サッカーのトレンド推移2018年…ポゼッション型ショートカウンター
2014年W杯でショートカウンターがトレンドになり、その後しばらくは色々なチームが使用しました。
2018年開催のロシアW杯でもショートカウンタースタイルは健在です。
しかし、ショートカウンターに加え、ポゼッションにも力を入れるチームが多い大会でした。
2019年にゴールキックのルールが変更され、ペナルティーエリア内でボールを受けることが可能になりました。
ルール変更後は、ゴールキックを蹴らずに自陣からショートパスを繋ぐチームが増加します。
↑動画のフランスVSアルゼンチンのフランスの4点目は、ゴールキックから相手にボールを触れられずにパスを繋いでゴールする現代サッカーの最高の形での得点です。
2018年W杯は、
●オフェンスはポゼッション
●ディフェンスはハイプレス(ショートカウンター狙い)
のポゼッション型ショートカウンター(ポゼッションとショートカウンターのハイブリッド)がトレンドになりました。
しかし、相手のハイプレスを掻い潜る現代のポゼッションは、従来のポゼッションよりも縦に早いのが特徴的です。
ボールを繋ぎつつ、より縦に早いサッカーが世界中で注目を集めます。
【最新】サッカーのトレンド推移2022年…ポゼッション型ショートカウンター
2018年のロシアW杯以降もポゼッションとショートカウンターのハイブリッドがサッカー界の主流です。
2022年現在もサッカー界のトレンド戦術は引き続き、ポゼッション型ショートカウンターで間違いありません。
しかし、今年のカタールW杯でトレンドが変わる可能性は大きくあります。
かど吉の予想では2022年以降のサッカーのトレンドは、ポゼッション型ショートカウンターとショートカウンター対策型の二極化です。
ポゼッション型ショートカウンターが主流ですが、他にも近年台頭してきた戦術を2つ紹介します。
派生トレンド…3バックシステム
3バックシステム(DFが3枚)は昔から存在していたフォーメーションですが、攻撃的な4バックが主流の現代サッカーで再び守備的な3バックシステムが注目を集めています。
3バックシステムは守備の際に両サイドハーフがディフェンスラインまで下がり5バックになるため、どちらかと言えば守備的なフォーメーションです。※超攻撃的な3バックシステムもあります

なぜ再び3バックシステムに注目が集まっているのかと言うと、ショートカウンター対策です。
ショートカウンターを採用しているチームはガンガン前線からボールを奪いにいくため、ディフェンスラインが高くなります。
結果的に、チーム全体が前のめりになるのでディフェンスの裏には大きなスペースが生まれます。
守備的な3バックシステムの狙いは、相手を自陣深くに引き込み、ボールを奪ったら一気に相手の裏をとることです。
一昔前のカウンター戦術だった堅守速攻タイプのカウンターが再び注目を集めています。
実際にユーロ2020では、参加チーム全24チーム中半分以上の15チームで3バックシステムが採用されました。
前からガンガンボールを奪いに来る現代サッカーに対抗するための戦術と言えるでしょう。
アイソレーション
アイソレーションとは、特定の選手をあえて孤立させる戦術です。
↓画像右側がアイソレーションの状況

アイソレーションの目的は、突破力が高い味方選手と相手DFとの1対1のシチュエーションを作り出すことです。
1対1が得意なドリブラーなどをアイソレーション(孤立)させることで、個の突破からチャンスを演出するシーンが増えます。
オフェンスの能力がずば抜けた選手がいるチームはアイソレーションを採用する傾向が高いです。
現代サッカーは一昔前よりもチームの戦術に重きを置いていますが、それと同時に個々の能力の高さも求められています。
まとめ
サッカーのトレンド推移をまとめました。
サッカーのトレンドは主にワールドカップで決まります。
大抵優勝したチームやいい結果を残したチームの戦術がその後しばらくのサッカー界の戦術のトレンドになるパターンが多いです。
近年サッカー界のトレンドとなった戦術の推移はこちら↓
●2010年…ポゼッションサッカー
●2014年…ショートカウンター
●2018年…ポゼッション型ショートカウンター
●2022年…ポゼッション型ショートカウンター
現代サッカーはより精密・機械的且つ縦に早いサッカーに進化しています。
2022年現在はポゼッション型ショートカウンターの他にも、ショートカウンター対策の3バック型の堅守速攻や、個の能力を生かしたアイソレーションなども増えています。
今後どのような戦術がサッカー界のトレンドになるのかが楽しみですね。