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サッカーワールドカップの出場枠数推移まとめ!大会規模拡大の背景を解説

DAZN

こんにちは。

サッカー歴20年以上・フットサル歴10年以上のドリブラー猫かど吉です。

日本のカタールW杯出場が決まって一安心しましたね!

カタール大会が32カ国制の最後のW杯になり、次の大会からは出場国数が48まで増加します。

現行32チーム制が近年W杯のスタンダードになっていますが、初めてのW杯は出場国がたったの13チームでした。

歴史と共に規模が拡大して行きましたが、W杯の出場国数がどのように推移して行ったのかに興味のあるサッカーファンも多いのではないでしょうか?

今回は、サッカーワールドカップの

・出場枠数の推移

・大会規模拡大の背景

についてまとめてみました。

この記事を読むことで、W杯の歴史に詳しくなることは間違いないでしょう!

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サッカーW杯の出場枠数の推移

W杯は1930年にウルグアイで初めて開催されました。

初開催では南米・ヨーロッパ・北中米の3地域のみが参加対象でした。

引用:JIJI.comより

1934年〜1978年大会までの間は出場国は16チームだけでした。

その後1982年からは24カ国に増加し、1998年大会から現行の32カ国制になっています。

それぞれの大会の出場枠をまとめてみました。

①16カ国制(1930年〜1978年)

1930年に始まったW杯ですが、第1回目は3地域のみの参加だったため出場国は13チームしかありませんでした。

2回〜11回大会では参加地域も出場国も増えましたが、出場国は現在の半分しかない16チームでした。

※地域の出場国を記載

年代 開催国 ヨーロッパ 南米 北中米 アフリカ アジア オセアニア
1930年 ウルグアイ 4 7 2 0 0 0
1934年 イタリア 12 2 1 0
1938年 フランス 13 1 1 0
1950年 ブラジル 8 5 2 0
1954年 スイス 12 2 1 0
1958年 スウェーデン 11 3 1 1 0
1962年 チリ 10 5 1 0
1966年 イングランド 10 4 1 1
1970年 メキシコ 9 3 2
1974年 西ドイツ 8 4 1
1978年 アルゼンチン 9 3 1

枠が16しか無いにも関わらず、どの大会でも半数以上がヨーロッパが占めています。

アジア・アフリカ・オセアニアに至っては大会によってはそもそも出場枠がありませんでした。

ちなみに地域間で1枠しかなかった際はW杯予選は合同で行われていました!

アジア・アフリカ・オセアニアが同じグループで1枠を争うなど、現在では考えられな予選が行われていました。

サッカーの普及や世界大戦の影響も大きく関係していますが、現在のヨーロッパ・南米を中心とするW杯は16カ国制の時から始まっています。

②24カ国制(1982年〜1994年)

1982年のスペイン大会から、出場国枠が16→24に拡大されました。

引用:NunberWebより

北中米・アジア・アフリカの最低枠数が2になりましたが、ヨーロッパ・南米優位はあまり変わってはいません。

※地域の出場国を記載

年代 開催国 ヨーロッパ 南米 北中米 アフリカ アジア オセアニア
1982年 スペイン 14 4 2 2 2
1986年 メキシコ 13 4 2 2 2 0
1990年 イタリア 14 4 2 2 2 0
1994年 アメリカ 13 4 2 3 2 0

ちなみにアジア枠が2になったことで、1990年度のアジア予選から現行とほぼ同じシステムなりました。

※各グループ予選上位2位までが最終予選に進み、総当たり戦で上位2チームがW杯出場権獲得

24カ国制W杯のアジア予選は現在よりも予選参加国は少なかったです。(当時26〜30カ国 現在46カ国)

しかし、アジア枠が現在よりも少なかったため、よりギリギリで過酷な試合が繰り広げられていました。

1994年のアジア最終予選では、最終戦まで首位をキープしていた日本が最終戦で引き分けてしまい、首位から3位に転落したことでW杯出場を逃した’’ドーハの悲劇’’が起きました・・・

当時の日本は当落線上ギリギリのレベルだったため、未だW杯に出場したことはありませんでした。

③32カ国制(1998年〜2022年)

W杯が現在の32カ国制になったのは、1998年のフランス大会からでした。

32カ国制になってからはアジア・北中米・アフリカの枠が増えました。

※地域の出場国を記載

年代 開催国 ヨーロッパ 南米 北中米 アフリカ アジア オセアニア
1998年 フランス 15 5 3 5 4 0
2002年 日本・韓国 15 5 3 5 4 0
2006年 ドイツ 14 4 4 5 4 1
2010年 南アフリカ 13 5 3 6 4 1
2014年 ブラジル 13 6 4 5 5 0
2018年 ロシア 14 5 5 5 3 0
2022年 カタール 13 未定 未定 未定 5

日本が初めてW杯に出場したのが1998年のフランス大会でした。

1998年大会よりアジア最終予選が2組に分けられホーム&アウェイ方式で行われるようになりました。

1998年大会のアジア枠は3.5で、日本は最終グループ2位で自動出場ではありませんでした。

反対グループの2位のイランとのプレーオフに勝利し、W杯出場を決めました。

引用:デイリースポーツより

もしフランス大会が24カ国制だった場合、日本はまたしてもギリギリの所で落選でした。

32カ国制になってからはアジア予選参加国も増加し、FIFAランクの低い国には1次リーグが設けられるようになりました。

このように時代の流れに合わせて、W杯の出場枠が増加し大会規模が拡大していきました。

サッカーW杯の大会規模拡大の背景

W杯の大会規模拡大の背景に迫って行きます。

出場枠増加の主な理由は

①公平性

②FIFAの収益アップ

の2点です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①公平性

まず初めに、大会の公平性です。

長い歴史の中で出場国が16→32に増えていますが、16カ国制の時から現在に至るまでヨーロッパの枠が大部分を占めています。

ヨーロッパに次いで南米に多くの枠が振られていますが、開催地によって枠が大きく変動していました。

まあ、大陸間によってレベルの差があるのは間違いありませんが、はっきり言ってW杯の主役はヨーロッパ・南米勢です。

他のアジア・アフリカ・北中米はオマケ扱いです。

予選参加国に対する出場国の割合を見ても一目瞭然です。

予選参加国 出場国数
ヨーロッパ 54 14
南米 10 5
アジア 46 5
アフリカ 53 5
北中米 35 3

※2018年ロシアW杯より参照

上記表を見てもヨーロッパ・南米が優遇されていることが分かりますね!

目の肥えたサッカーファンとしては特に異議はないのですが、客観的に見ると大陸によって不公平感があるのは否めませんね。

レベルを加味することは非常に大切ですが、最も競技人口の多いスポーツの世界大会で不公平が生まれてしまうことは倫理的によろしくありません・・・

不公平感を払拭する為にはヨーロッパの枠を他に割り振るか、出場国を増やして枠を均等にする以外の方法はありません。

しかし、ヨーロッパの枠を削ることはW杯の魅力激減に繋がってしまう事は間違いないので大会そのものの規模を大きくする以外の選択肢は無いでしょう。

②FIFAの収益アップ

2つ目の背景はFIFA(国際サッカー連盟)の収益アップです。

引用:Wikipediaより

FIFAが運営する大会はW杯とクラブW杯のみです。

現状のFIFAの収益の95%をW杯で賄っているのが現状です。

最も効率的にFIFAが収益を上げる方法はW杯の規模拡大です。

規模を拡大することでチケット代や放映権の収益を大幅に増やすことができます。

収入の95%をワールドカップに頼り、今もFIFAが12億ユーロの余剰金を持ち、サッカー発展途上国にさまざまな開発プログラムの資金援助ができるのもワールドカップのおかげに他ならない。

引用:NunberWebより

ちなみに世界中で盛り上がるチャンピオンズリーグやユーロはUEFA(欧州連盟)が主催の大会のため、FIFAには収益が入りません。

現状FIFAが収益を上げるには、FIFAが主催の大会を新たに設けるか現行の大会の規模を拡大するしかありません。

しかし、各国のリーグ戦や既存の大会等のスケジュールを加味すると新たな大会を設けるのは現実的に厳しいです。

そうなると必然的にFIFAが収益を上げるためにはW杯の規模を拡大する以外に選択肢はありません。

W杯の規模拡大の裏には、FIFAの金銭事情が隠れていることが分かりますね!

まとめ

今回はW杯の出場枠の推移・大会規模拡大の背景についてまとめました。

・1930年・・・13カ国制

・1934年〜1978年・・・16カ国制

・1982年〜1994年・・・24カ国制

・1998年〜2022年・・・32カ国制

・2026年〜・・・48カ国制

時代の流れと共に、出場枠が増えていっていることが分かりますね。

また、大会規模拡大の背景として

要点まとめ

・公平性

・FIFAの収益アップ

が大きく関係しています。

今後もさらに規模が大きくなっていく可能性も考えられますね。

新たな歴史の幕開けに立ち会える日が来るのがとても楽しみですね!

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